- 2026年4月25日
- 2026年4月19日
心雑音とは?健康診断で指摘されたら要注意?原因・検査・治療をわかりやすく解説
健康診断や学校健診、人間ドックで「心雑音があります」と言われ、不安になって受診される方は少なくありません。
「心雑音って心臓病なの?」「すぐに治療が必要?」「放っておいて大丈夫?」と心配になるのは当然です。
心雑音とは、心臓や血液の流れによって生じる通常とは異なる音のことです。必ずしも病気とは限りませんが、中には心臓の弁膜症や先天性心疾患など、治療や経過観察が必要な病気が隠れていることもあります。
今回は、心雑音について、原因・症状・必要な検査・治療法まで、循環器内科の視点からわかりやすく解説します。
心雑音とは?
心臓は「ドクン、ドクン」と規則正しく拍動し、血液を全身に送り出しています。
この音は主に、心臓の弁(逆流防止の扉)が開閉することで生じます。
一方、心雑音は、その正常な音に加えて聞こえる「ザー」「ヒュー」「シャー」といった異常な音です。
これは、血液の流れが乱れることで発生します。
医師が聴診器で胸の音を聞いたときに見つかることが多く、本人には自覚がない場合も少なくありません。
心雑音の原因
心雑音には、大きく分けて「心配の少ないもの」と「病気によるもの」があります。
1. 心配の少ない心雑音(機能性心雑音)
以下のような場合、一時的に血流が速くなり雑音が聞こえることがあります。
- 発熱時
- 貧血
- 妊娠中
- 成長期の子ども
- 緊張や運動直後
この場合、心臓そのものに異常がないことも多く、無害性心雑音とも呼ばれます。
2. 注意が必要な心雑音(器質的心雑音)
心臓弁膜症
心臓には4つの弁があり、加齢や動脈硬化、感染などで異常が起こることがあります。
代表的な病気:
- 大動脈弁狭窄症
弁が硬く狭くなり、血液が流れにくくなる - 僧帽弁閉鎖不全症
弁がきちんと閉じず、血液が逆流する
高齢化に伴い増えている病気です。
先天性心疾患
生まれつき心臓の壁に穴がある(心房中隔欠損症など)場合にも雑音が聞こえます。
心筋症・心不全
心臓の働きが弱くなることで弁に負担がかかり、雑音が出ることもあります。
心雑音があるとどんな症状が出る?
軽い段階では無症状のことも多いですが、原因疾患によっては次のような症状が現れます。
- 息切れ
- 動悸
- 胸痛
- めまい
- 失神
- 足のむくみ
- 疲れやすい
- 階段や坂道で苦しい
これらの症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
健康診断で心雑音を指摘されたらどうする?
結論から言えば、一度循環器内科で詳しく調べることが大切です。
心雑音だけで病気の有無を断定することはできません。
逆に、自覚症状がなくても重い弁膜症が見つかることもあります。
特に以下に当てはまる方は早めの受診が安心です。
- 健診で初めて指摘された
- 以前より雑音が強いと言われた
- 息切れや胸痛がある
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症がある
- 高齢者の方
心雑音の検査
心電図
不整脈や心肥大の有無を確認します。
胸部レントゲン
心臓の大きさや肺うっ血の有無を調べます。
心エコー検査(超音波検査)
最も重要な検査です。
心臓の弁の動き、逆流、狭窄、心臓の機能を詳しく確認できます。
痛みもなく、体への負担が少ない検査です。
血液検査
貧血や心不全の有無などを調べます。
心雑音の治療は必要?
原因によって異なります。
経過観察のみでよい場合
- 無害性心雑音
- 軽度の弁膜症
- 症状のない軽微な異常
定期的な心エコーで変化を確認します。
薬物治療
心不全症状や高血圧を伴う場合、内服治療を行います。
カテーテル治療・手術
重症の弁膜症では、
- 大動脈弁置換術
- カテーテル的大動脈弁治療(TAVI)
- 僧帽弁クリップ治療
- 外科手術
などが必要になることがあります。
早期発見により、身体への負担が少ない治療を選べる場合もあります。
放置してはいけない心雑音もあります
「症状がないから大丈夫」と思っていても、弁膜症はゆっくり進行することがあります。
気づいたときには心不全が進んでいるケースもあります。
特に高齢者では、
- 年齢のせいと思っていた息切れ
- 最近疲れやすい
- 歩く速度が落ちた
こうした変化の背景に心臓病が隠れていることがあります。
当クリニックから皆さまへ
心雑音は、心臓からの大切なサインであることがあります。
一方で、心配のない雑音も多く、正確な診断には専門的な評価が重要です。
当クリニックでは、患者さま一人ひとりに寄り添い、丁寧な診察とわかりやすい説明を心がけています。
健康診断で心雑音を指摘された方、息切れや動悸が気になる方は、お気軽にご相談ください。
早めの確認が、将来の心不全や重症化予防につながります。
