• 2026年3月8日

睡眠時無呼吸症候群とは?いびきや日中の眠気の原因と治療法を解説いたします!

「いびきが大きいと言われる」
「夜中に息が止まっていると指摘された」
「日中に強い眠気がある」

このような症状がある場合、「睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)」の可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まったり弱くなったりする病気で、単なるいびきの問題ではありません。実は高血圧・不整脈・心不全・心筋梗塞・脳卒中などの循環器疾患とも深く関係していることが知られています。

今回は、睡眠時無呼吸症候群の症状、原因、検査、治療(CPAPやマウスピース治療)について、循環器クリニックの視点からわかりやすく解説します。


睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」や、呼吸が浅くなる「低呼吸」を繰り返す状態です。

これが1時間に5回以上起こる場合、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

睡眠時無呼吸には主に2つのタイプがあります。

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)

最も多いタイプです。
睡眠中に舌や喉の筋肉が緩み、空気の通り道(気道)が塞がれることで起こります。

多くの場合、大きないびきを伴います。

中枢性睡眠時無呼吸(CSA)

脳から呼吸の指令が出にくくなることで起こります。
心不全の患者さんに合併することがあります。

一般的に睡眠時無呼吸症候群の多くは、閉塞性睡眠時無呼吸です。


睡眠時無呼吸症候群の症状

睡眠時無呼吸症候群では、夜間だけでなく日中にも症状が現れます。

夜間の症状

  • 大きないびき
  • 呼吸が止まる
  • 息苦しくて目が覚める
  • 何度も目が覚める
  • 夜間頻尿

日中の症状

  • 強い眠気
  • 集中力の低下
  • 起床時の頭痛
  • 慢性的な疲労感
  • 胸痛・胸部違和感
  • 動悸
  • 息切れ

特徴的なのは、本人よりも家族が先に気づくことが多い病気という点です。

「いびきが止まり、しばらくして大きく息をする」
このような様子があれば注意が必要です。


睡眠時無呼吸症候群の原因

睡眠時無呼吸症候群の主な原因は、気道が狭くなることです。

代表的なリスク因子には次のものがあります。

  • 肥満
  • 首周りの脂肪
  • 小さい顎
  • 扁桃肥大
  • 鼻づまり
  • 飲酒
  • 加齢

特に肥満は最大のリスク因子です。

体重が増えると首周りにも脂肪がつき、睡眠中に気道が塞がりやすくなります。


睡眠時無呼吸症候群と心臓病の関係

循環器医として特に強調したいのは、睡眠時無呼吸症候群と心臓病の関係です。

無呼吸が起こると体は酸素不足となり、

  • 交感神経が活性化
  • 血圧上昇
  • 心臓への負担増加

が起こります。

その結果、次の病気のリスクが高くなります。

  • 高血圧
  • 心房細動などの不整脈
  • 心不全
  • 心筋梗塞
  • 脳卒中

実際に、心房細動患者の多くに睡眠時無呼吸症候群が合併していることが知られています。


睡眠時無呼吸症候群の検査

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、「睡眠検査(簡易検査)」を行います。

現在は自宅でできる検査が一般的で、

  • 呼吸
  • 酸素濃度
  • 無呼吸の回数

などを一晩かけて測定します。

必要に応じて、より詳しい「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)」を行うこともあります。


睡眠時無呼吸症候群の治療

重症度に応じて治療方法を選択します。


①生活習慣の改善

軽症の場合は

  • 体重減少
  • 禁酒または節酒
  • 横向きで寝る

などで改善することがあります。


②CPAP(シーパップ)療法

中等症〜重症ではCPAP療法が標準治療です。

睡眠中にマスクを装着し、空気を送り込むことで気道が閉じるのを防ぎます。

CPAPにより

  • いびき改善
  • 日中の眠気改善
  • 血圧低下
  • 心血管イベントのリスク低下

が期待できます。


③マウスピース(口腔内装置)治療

軽症〜中等症の患者さんでは、「マウスピース治療(口腔内装置)」が選択されることもあります。

これは睡眠中に装着する装置で、下顎を前方に出すことで気道を広げる治療です。

特徴として

  • CPAPより装着が簡単
  • 旅行時にも使用しやすい
  • いびき改善効果がある

などがあります。

ただし、重症の睡眠時無呼吸ではCPAPの方が効果が高いため、患者さんの状態に合わせて治療法を選択することが大切です。


いびきを軽く考えないことが大切です

睡眠時無呼吸症候群は、

「よくある病気ですが、放置してはいけない病気」です。

特に次のような方は検査をおすすめします。

  • 大きないびきがある
  • 日中の眠気が強い
  • 高血圧がある
  • 不整脈がある
  • 心不全がある

睡眠の質は、心臓の健康にも大きく関わります。


気になる症状がある方はご相談ください

睡眠時無呼吸症候群は、適切な検査と治療で大きく改善できる病気です。

当クリニックでは、自宅でできる睡眠検査にも対応しています。
いびきや日中の眠気が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。


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