- 2026年5月2日
- 2026年4月19日
胸が重い・締めつけられる…狭心症の可能性と検査内容を解説
「階段を上ると胸が締めつけられる」「少し歩くと胸が苦しい」「休むと治る胸の違和感がある」――このような症状がある方は、狭心症の可能性があります。
狭心症は、心臓に血液を送る血管(冠動脈)が狭くなり、心臓の筋肉に十分な酸素が届かなくなる病気です。放置すると心筋梗塞へ進行することもあるため、早めの受診が大切です。
今回は、循環器内科医の立場から、狭心症の原因・症状・検査・治療・予防について、わかりやすく解説します。
狭心症とは?
心臓は全身へ血液を送るポンプの役割をしています。その心臓自身にも、冠動脈という血管を通して酸素や栄養が届けられています。
しかし、加齢や生活習慣病などにより冠動脈の内側に動脈硬化が起こると、血管の通り道が狭くなります。すると、運動時や緊張時など心臓が多くの酸素を必要とするときに血流が不足し、胸痛や圧迫感が起こります。これが狭心症です。
狭心症の主な症状
狭心症では、次のような症状がみられます。
- 胸の中央が締めつけられる
- 胸が重い、圧迫される感じ
- 階段・坂道・早歩きで胸が苦しい
- 数分休むと症状が軽くなる
- 左肩、腕、背中、あご、みぞおちへの痛み
- 息切れ、冷や汗、吐き気を伴うこともある
「胸が痛い=鋭い痛み」とは限らず、なんとなく苦しい、重い、違和感があるという表現の方も少なくありません。特に高齢者や糖尿病の方では、典型的な胸痛が出にくいことがあります。
狭心症の種類
1. 労作性狭心症
歩行・階段・運動・寒い朝など、心臓に負担がかかったときに症状が出るタイプです。最も多くみられます。
2. 安静時狭心症(冠攣縮性狭心症)
夜間や早朝、安静にしているときに冠動脈がけいれんし、一時的に細くなることで起こります。喫煙との関連も知られています。
3. 不安定狭心症
以前より症状が強くなった、安静時にも起こる、頻度が増えた場合などです。心筋梗塞の前触れのこともあり、緊急対応が必要です。
狭心症の原因・危険因子
狭心症の背景には、動脈硬化があります。以下の因子がリスクを高めます。
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症(コレステロール高値)
- 喫煙
- 肥満
- 運動不足
- ストレス
- 睡眠不足
- 家族歴
- 加齢
これらが複数重なると、狭心症や心筋梗塞の危険性は高まります。
狭心症の検査
循環器クリニックでは、症状やリスクを確認したうえで、必要に応じて次の検査を行います。
心電図
不整脈や虚血の変化を確認します。
心エコー検査
心臓の動きや弁膜症の有無を確認します。
運動負荷検査
運動時に症状や心電図変化が出るか調べます。
血液検査
糖尿病・脂質異常症・腎機能などを確認します。
冠動脈CT・心臓カテーテル検査
冠動脈の狭窄を詳しく評価する検査です。必要時に連携病院へご紹介します。
狭心症の治療
1. 薬物治療
症状改善や再発予防のために、以下の薬が使われます。
- ニトログリセリン
- 抗血小板薬
- β遮断薬
- カルシウム拮抗薬
- スタチン(コレステロール改善薬)
患者さんの状態に合わせて選択します。
2. カテーテル治療(PCI)
細くなった血管を風船やステントで広げる治療です。
3. 冠動脈バイパス手術
重症例では外科手術が必要になることがあります。
狭心症を予防する生活習慣
狭心症は予防が非常に重要です。日頃から次の点を意識しましょう。
- 禁煙する
- 塩分・脂質を控えた食事
- 適正体重を保つ
- 定期的な有酸素運動
- 血圧・血糖・コレステロール管理
- 十分な睡眠
- ストレス管理
- 健康診断を受ける
特に高血圧や糖尿病を放置しないことが大切です。
こんな症状はすぐ受診を
次のような場合は早めに循環器内科へご相談ください。
- 歩くと胸が苦しくなる
- 胸痛が最近増えてきた
- 安静でも胸が痛む
- 息切れが強い
- 冷や汗を伴う胸痛
- 数分以上続く胸の圧迫感
強い胸痛が20分以上続く場合は、心筋梗塞の可能性もあり救急受診が必要です。
まとめ
狭心症は、心臓の血管が狭くなり血流不足を起こす病気です。胸痛や圧迫感、息切れなどの症状が現れ、放置すると心筋梗塞につながることがあります。
しかし、早期発見・早期治療により、多くの方が安定した生活を送ることができます。胸の違和感を「年齢のせい」「疲れのせい」と自己判断せず、気になる症状があれば早めにご相談ください。
当クリニックでは、患者さま一人ひとりに寄り添い、地域の皆さまの心臓病予防と早期発見に努めています。胸痛・動悸・息切れなど、気になる症状があればお気軽にご相談ください。
