- 2026年5月16日
- 2026年5月17日
健診で心電図異常と言われたら?放置してはいけない理由と循環器内科で受けるべき検査
会社の健康診断や人間ドックで、「心電図異常を指摘されました」「要再検査と書かれていました」と言われ、不安になって来院される方は少なくありません。
しかし一方で、症状がないから大丈夫だろうと、そのまま放置してしまう方も多いのが現実です。
心電図異常の中には、問題のない変化もありますが、不整脈・狭心症・心筋症・心不全など重大な心臓病のサインが隠れていることもあります。今回は、健診で心電図異常を指摘されたときに知っておきたいポイントを、循環器内科医の立場からわかりやすく解説します。
心電図検査とは?
心電図検査は、心臓が動くときに発生する電気信号を記録する検査です。胸や手足に電極をつけ、短時間で痛みなく受けられます。
この検査によって、以下のような異常がわかります。
- 脈の乱れ(不整脈)
- 心臓への負担
- 心筋の異常
- 心筋梗塞の痕跡
- 狭心症を疑う変化
- 電気の流れの異常(脚ブロックなど)
健康診断では自覚症状のない方にも行うため、病気の早期発見に非常に重要な検査です。
健診でよくある心電図異常の指摘
健診結果でよく見られる所見には、次のようなものがあります。
1. 不整脈(期外収縮・心房細動など)
脈が飛ぶ、ドキッとする原因になります。
一時的なものもありますが、心房細動は脳梗塞の原因になるため注意が必要です。
2. ST-T異常
心臓の筋肉への血流不足や高血圧による負担などで見られます。
狭心症や心肥大が隠れている場合があります。
3. 徐脈・頻脈
脈が遅すぎる、または速すぎる状態です。
体質的なこともありますが、失神や動悸がある場合は精査が必要です。
4. 脚ブロック・房室ブロック
心臓内の電気の通り道に遅れや遮断がある状態です。
加齢でみられることもありますが、心疾患が背景にある場合もあります。
5. 左室肥大
高血圧が長年続くことで心臓の筋肉が厚くなっているサインです。
放置すると心不全の原因になります。
心電図異常=すぐに重病ではありません
ここで大切なのは、心電図異常と書かれていても、すべてが重病ではないということです。
たとえば、
- 一時的な緊張
- 睡眠不足
- ストレス
- カフェイン摂取
- 測定時の体調
などで変化が出ることもあります。
そのため、健診結果だけで過度に心配する必要はありません。
ただし、放置してよいかどうかを判断するために専門医の確認が重要です。
健診で心電図異常を指摘されたら受診すべき人
次のような方は、早めに循環器内科へご相談ください。
- 健診で「要精密検査」「要受診」と書かれている
- 動悸、胸痛、息切れがある
- めまい、失神がある
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症がある
- 家族に心臓病の方がいる
- 毎年同じ異常を指摘されている
症状がなくても、将来の病気予防のため受診をおすすめします。
循環器内科で行う追加検査
健診後に当院へ来られた場合、必要に応じて次のような検査を行います。
安静時心電図
改めて現在の心電図を確認します。
ホルター心電図
24時間心電図を装着し、日常生活中の不整脈を調べます。
心エコー検査
超音波で心臓の形や動きを確認します。弁膜症や心肥大の診断に有用です。
運動負荷検査
運動時に狭心症が出ないか確認します。
血液検査
甲状腺異常、貧血、電解質異常など不整脈の原因検索にも役立ちます。
放置するとどうなる?
心電図異常を放置した結果、次のような病気が見つかることがあります。
- 心房細動から脳梗塞
- 高血圧性心疾患から心不全
- 狭心症から心筋梗塞
- 徐脈による失神
- 心筋症の進行
早期に見つかれば、薬物治療や生活改善で予防できることも多くあります。
日常生活で気をつけたいこと
心電図異常を指摘された方は、次の点も意識しましょう。
- 血圧管理
- 禁煙
- 適正体重の維持
- 塩分を控える
- 睡眠不足を避ける
- 飲酒を控えめにする
- 適度な運動
生活習慣の改善は、心臓病予防の基本です。
まとめ|健診での心電図異常は早めの確認を
健康診断で心電図異常を指摘されると驚かれるかもしれません。
しかし、大切なのは「異常があること」より、「その異常に意味があるか確認すること」です。
問題のない変化なら安心できますし、病気が隠れていても早期発見につながります。
当院では、健診結果のご相談、再検査、心エコー、不整脈精査まで幅広く対応しております。
健診で心電図異常を指摘された方は、お一人で悩まずお気軽に循環器内科へご相談ください。
